私の小説より~
頑張れ!セルフビルダーより抜粋
ところが、ヤレヤレと思う間もなく、再び現れた建築の見回り役人からの指摘には困った。
実は、当初の事務所ビルには煮炊きの出来ない流し台の設備しか無かったのだが、その後、ビルの一部をレストランに改装するにあたり、ガスを使う営業用の厨房器具が入ったのだ。
これによって火災の恐れが高まり、室内に内装制限という枠がはめられたのである。
内装制限では、内部の仕上げを、燃えないものにしなくてはならないのだが、役所としては職務上、そこを見逃さなかったのである。更には室内の換気や厨房から出される煙の排煙の設備なども必要になった。
役人からは、「あなたの気持は分からないではないんですが、マイペースで気ままにやってないで、よく勉強もして下さいヨ、この国には内装制限なんかの基準ってものがあるんですから、これに従わなくちゃあ店を始められないんですよ、もし設計事務所に知り合いがあるんだったら、そこに相談して、必要な工事が済んだら写真などを沿えてすぐ報告して下さい。」と指摘された。
熊田は、
「ご指摘はよく分かりましたので、おっしゃるように早いところ改善します。そんなに難しいことがあるなんて、知らなかったものですから。」といったものの、獅子山に建築法令に従うにはどうすればいいのかという相談をして対策を練り、それに応じた改善工事にかかる資金調達などで、数カ月の時間を要してしまった。
例えば、壁にタイルを貼ったり、天井に不燃ボードを張ったり、防煙の為の天井からのガラスの垂れ壁を設置するなどの準備をしなければならなくなくなった訳である。
熊田は、こうやって取り繕いが済み役所に報告をした後、暫く考え込んだが、どうやらレストランが殺風景なことに気が付いた。
「これではインパクトが弱過ぎる!とまれ、客を引きつけるような何かいいアイデアはないものか・・・
そう思ったとたん、あらゆるものがいっぺんに脳裏に去来したような感覚を覚え、すぐにダイナミックな知恵が浮かんだのである。
つづく・・・・
