鳩山内閣がスタートした。
ある調査によれば、支持率は77パーセント
だという。
脱官僚依存、教育費負担、高速道路の無料化、
公共事業・ダムの見直しなど、マニュフェストは
大盛りだが、はたしてどこまでやるだろうか・・・
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私の小説
頑張れセルフビルダー&日曜大工より~
さて、熊田の自信とリスクとの関係・・・これが気になりだした私は、建物の完成から数ヶ月したある日、設計者の獅子山に対し、熊田について友人としてそこのところをどう思っているか、仕事の邪魔を承知で聞いたような記憶がある。・・・
獅子山の事務所は、JR新宿駅前のMビルの最上階にあった。南の窓越しからの雑踏の息吹は、想像以上に攻撃的でかつ刺激的だった。私は、その窓越しに新宿駅の方を見やりながら、獅子山のスタッフが入れてくれた茶を口に含みのどを潤した。そして、本題に入る前に、遠回しに獅子山のビジネスの様子を聞いた。
「獅子山さん、あなたは熊田さんとは昔から友人だっていうからお聞きするんですが、熊田さんは幅広く事業をしてるそうですねえ、最近はアメリカではどうなんですか?。」と尋ねた。すると獅子山は、良く聞いてくれたと言わんばかりに、
「いえいえ・・・そうじゃあなくて、最近はロシアなんです・・・ロシアは国が民主化されたばかりだから、日本製の中古車や家電製品が人気で、けっこうもてはやされて・・・見た目にオンボロでもゼンゼン気にしない、まあ作ったモノが動けばいいっていう感覚なんだそうです・・・」と答えた。
私はそれを聞いて、「ほほう、ロシアではそんなアンバイですか・・・」といい、しばらくは獅子山経由の熊田の土産話に興じた。
獅子山の話には、どことなく尾ひれが付いていたのが気になった。それはともかく、いつのまにやら話が獅子山の海外旅行の思い出話にそれ始めたので、そういう海外の話はまたあとで聞くということにして、そろそろ本題に入ってみることにした。
私は、
「獅子山さん、私は日頃から思ってるんですが、熊田さんのセルフビルドの場合は、気を付けろモンスターが後ろから引き綱を持って、スタスタ追っかけて来るなんてことがあるんじゃあないでしょうか・・・場合によっては、アブナイことをやりたいモンスターもいっしょにねえ・・・」と聞いてみた。これに対し獅子山は、
「ははあ、モンスターですか・・・ハハハ、それはまたユニークな例えですね・・・そう、それで思い出したんですが、彼はヨットのセーリングでも、いいときはイケイケ、守りにはまったく弱い。時々水没するし帆は折るし・・・横波から逃げるだけで危なくてハラハラで・・・まあ要するに、熊田さんは建築ルールに無関心で、あまり計画をたてずに行動しちゃうから、何か面倒を起こすと、途端に上手く対応できなくてパニックになる。出来る範囲の建築にはいくら自信があっても、これじゃあ困るんですがね・・・しかし、熊田さんのような人は、縛られ過ぎると、逆に想像力というものが湧かないから馬力が落ちるんです・・・そこがあなたにわかりますか。」と言った。
「成る程ねえ、熊田さんは変に固まってないで、柔軟な想像力を働かせる能力があるってことか、これは建築を作るにはそれはそれで貴重じゃあないですか、しかし、放っておくと調子に乗って独走するから、そう言うときは歯止めが必要なんでしょうね。」
「まあ、おっしゃる通り、彼はどちらかと言えば、まわりに捕らわれずに建築を作ることを楽しんでるんでしょう、これはこれでいいんです・・・しかし、だめなモノはダメとハッキリ言わんと危なくて・・・」
「確かに、いちいち細かいことを気にしていたら、何も出来ないでしょうが、彼の場合は、それとは逆で見境も無くばく進するタイプだからね。」
「そう、あんな具合に、いつでもリスクがつきまとうから、私は、そこを上手くフォローしたいんです。ただし、後見役の美代子さんがそばにいればの話ですがねえ。」
「なるほど、美代子さんか・・・ははあ成る程・・・まあ、セルフビルドでも、彼のは途中まで自分で施工しても、細かい所になると自信がないから、すぐに他人に任せちゃう。でも、他人にばかりやらせるとメリットが無くなる、それをどこで任せるかの判断を、美代子さんが握ってるってことだ・・・彼はどうやら美代子さんに相談しないと先に進めないようだからなあ・・・彼女をマネージャーだと思って、頼りにしているんだ・・・いや・・彼はたぶん美代子さんの尻に敷かれてるカモね・・・」
私は、夢のことを思い出して、危うく吹き出しそうになった。
