たまたま「Book Of」で梶井基次郎の文庫本
を買った。
「檸檬」れもん、というタイトルであった。
梶井は早世の作家だが、彼の作品には私小説
的なものが多く、自らの病気(肺結核)を題
材にしている事が多い。
また、志賀直哉の影響を強く受けていると思
う。
「檸檬」より~
私は、出来ることなら京都から逃出して誰一人
知らないような市へ行ってしまいたかった。
第一に安静。がらんとした旅館の一室。
清浄な蒲団。匂いのいい蚊帳と糊のよくきいた
浴衣。其処で一ヶ月程何も思わず横になりたい。
希わくは此処が何時の間にかその市になってい
るのだったら。・・・
細かな自然描写、人物描写が美しいと感ずる
のは私だけではないだろうと思う。
