真冬のモクレンのつぼみはどうなってるかと思い、
のぞいてみました。
ヤッパリ春に向けて、しっかりつぼみをこしらえ
ていました。
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私の小説・戦う住宅より~
彫刻家の決意~
ところが、そう思ったとたん、舞子のニュルニュル伸びたロクロ首が、自分をぐるぐる締め上げ、束縛されるような空想に捕らわれた。彼女を弟子にするかどうかと自分に問いただす間もなく、舞子のオーラに思わず我が身がキュッと縮まったような気がした。
しかし、正三の狼狽をよそに、舞子は、それからずっとこの家に居座ったのである。
舞子はしばらくの間、呆れるほど口が重い正三に戸惑った。
正三は、
「おまえ、東京へは帰らなくてもいいのか、両親が心配してるだろう・・・いつまで居るつもりなんだ・・・」と言うばかりで、問いかけには反応するが自分から喋ろうとしない。
それがある日のこと、正三のベースギターとのデュオでアルトサックスを演奏すると、これが思いもかけず二人の距離をグッと縮めた。
サマータイム、オータムリーブス・・・正三のベースは確かな低音域を刻み、これがサックス奏者の体内リズムに共鳴した。彼女はまどろみながら群青色の深海を泳ぐ夢のような気分に陶酔した。
そんな日々を送っていた二人だが、舞子の両親がこれを放っておく筈が無かった。なぜなら、彼らは、娘が取り付いた相手が貧乏神のような彫刻家だと案じていたからだ。
とうとう東京から二人揃って娘を連れ戻しに来た。東京の大使館に勤める、まさしく見上げるように背が高く厳つい赤ら顔に青い目の父、細面で小柄で色白な日本人の母であった。
しかし、舞子は、ここでの暮らしが肌に合うと言い、両親には会おうとしなかった。
それでも両親は幾度も来た。その度、父親のディックは大きな体を揺すりながら、身振り手振りで何やらよく聞き取れない日本語でまくし立てた。
母親の幸恵はそれをなだめようとおろおろした。父親は何を言っても正三親子には通じないので、そのうちに諦めたのか、肩をすくめ母親と顔を見合わせては、ため息をつくばかりだった。
正三の母の澄枝は、これに追い打ちをかけるように、両親に対してのらくらと二束三文の骨董を売り込んだり、出雲の神々の話をしては面食らわせた。
ディックの日本びいき、骨董好きをいいことに、舞子をいっそ息子の連れ合いにしようという目論見もあった。両親は、ただ澄江に翻弄されるばかりで、仕舞いには食あたりのような妙な気分に襲われそのうちぴたっと来なくなった。
つづく・・・
