バンクーバー冬季五輪の15日、スピードスケート男子五百メートルで、長島圭一郎(日本電産サンキョー:長野県下諏訪町)が2位、さらには加藤条治が3位に入り、ともに銀メダルと銅メダルを獲得しました。これはすごいこと、市民共々万歳です。
役場では早々に祝福の花火が上がりました。
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私の小説より~
戦う住宅
・・・彫刻家のアトリエと住まい
しかし、正三は、舞子の言葉尻を捕らえるや、体を小刻みに震わせ、
「僕はモノを作る人間だから、こういうモノを眺めてるだけでも造形のヒントになるんだ・・・だから汚いからってむやみに捨てるモンじゃない・・・生きてるものはどんなもんでもいずれは朽ちる・・・君にはワカランかも知れんが、石や貝殻でも、ここにあるモノにはいい知れん味がある・・・」と声を荒げた。
彼女には、正三のこんなに尖った顔を目にするのは意外だった。そして普段は聞いたことの無いような正三の言葉に驚いた。
気がつけば心臓がガバガバと脈打ち、今にも口から飛び出しそうになった。
「それにしてもなんという分からず屋なんだろう、呆れちゃう、これじゃあ先が思いやられる・・・でも正三さんをこうやって憤慨させちゃったのはまずい・・・そもそも私は勝手に正三さんの弟子になろうと思って、両親の反対を押し切ってやって来たんだから、あんまりムキになっちゃあいけなかったんだ、それに追い出されたら何にもならないし・・・」と思った。
そこですぐに、
「わかったわ、私の言い過ぎよ・・・だからかんべんして、そんなに大事ならもう捨てない・・」と言い繕った。
そして、自分の落ち着き場所を探すように床に小さくうずくまった。涙が頬を伝った。涙には正三に対する怖さと悔しさがにじんだ。
「アトリエを綺麗にしてあげようと思ってやったことなのに・・・そんなら私にも考えがある・・・そりゃあ、私は正三さんの弟子だけど、その前に一人の人間なんだから・・・」それでも手負いの虎は、しばらくはツメを隠し正三の機嫌を損なわないよう振る舞った。
そんなことを知りようもない正三にとってみれば、一瞬の彼女の捨てるという行為は、どこか天女の悪戯のように映ったであろう。
だが、正三は知らぬ間に車の蜥蜴の彫刻を剥がされ、舞子に知らんぷりを決められたのには驚いた。これにはしまった、やられたと思った。
ところが舞子はこの時、蜥蜴を捨てたわけではなく密かにこれを手元に隠し持ち、それを正三に見られないように時々取りだし眺めては悦にいるのであった。こういう事でもやらない限り、正三の技を盗み、悔しさを紛らわしたいという心のオチどころが見あたらないのであった。
しかし、正三はこんなことによって、いつの間にやら古い観念や執着に佇んでいた自分の姿があからさまになったのに気づいた。
これは、あたかも影のように引きずってきた自己嫌悪と自信壊失からの救いだった。むしろそれ以来、心の隅に光りの隙間が空いたような気がした。
つづく・・・
